こんにちは。エバコナのカースです。
ご存じの方も多いと思いますが、ニュージーランドは原子力発電所が無い国です。この国の全ての電力は自然エネルギー(水、風、地熱等)による発電に頼っています。また、それだけでなく「オフ・ザ・グリッド」と言って町等から遠く離れたところに家があるため電線が家までつながっていない生活をしている人も多数います。私の家族もそうです。
家では太陽と水力による自家発電で生活しています。完全に自家発電だけの生活と言うと原始的な生活に思われるかもしれませんが、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ等一般的な電化製品は全て使えます。キッチンはガスで調理をし、シャワーやお風呂等のお湯は太陽と薪ストーブで温めて使っています。暖房はもちろん薪ストーブです。山奥なので以前はインターネットがつながっていませんでしたが、数年前に屋根にモバイルネットワーク用のアンテナを立ててからモバイルネットワークを使ったブロードバンドが使えるようになりました。
家にはバックアップとしてガソリンのジェネレーターがありますが、数年前にソーラーパネルを増やしてからは殆ど使う事が無く、太陽と水力で電気は十分に賄えています。お湯も以前はバックアップとして使うガスのシステムがあったのですが、効率良く太陽でお湯を温めるシステムを取り入れてからそれも必要無くなりました。曇りの日でも薪ストーブでお湯を温める事ができるのでお湯が無くて困る事はありません。
もちろんこの生活をしていて不便を感じる事も時々あります。たとえばヘアドライヤー、掃除機、電子レンジ、洗濯機等が必ずしもいつでも使いたいときに使えない事では無いでしょうか。常にバッテリーの電気の量を確かめてから電化製品を使うので、一日に何度もバッテリーの%をチェックしたり、水力やソーラーの発電量をチェックします。子供がいると掃除機、洗濯機は日常的な必需品なので電気が足りなくて使えない事があると不便な事もありますが、それも慣れれば生活を自然のリズムに合わせる事ができるようになりました(散らかっていても死にはしない!とか‐笑)。
この生活をしていると必然的に天気や自然のリズムに敏感になります。そして独り言のように自然と対話をするようになりました(笑)。電気が足りない時には日が出るように祈り、お日様が出てくると「ありがとうございます」と言っていたり。水力発電が落ちてきている時には雨を祈り、雨が降ってくれると屋根に聞こえる雨音が喜びと感謝の音楽に聞こえます(笑)。
日本で暮らしていた時、何も考えずに電気、エアコン、テレビ等の電化製品をいつもつけっぱなしにしていたり、お風呂/
シャワーを1日2回お湯をたっぷり使って入っていたり。電気やお湯等の資源を無駄に使うという事に何も注意を払っていませんでした。しかし、自然エネルギーに頼る生活というのは人を自然に近づけてくれます。
私達のように自家発電をしていない街中の家でも、ニュージーランドは必然的に節電がモットーの家が多いです。というのも、自然エネルギーの発電所ばかりなので電気代が大変高価だからです。先日ニュースで最近あまりに電気代が高いため、ソーラーパネルをつける家が増えてきたというニュースがありましたが、それを聞いて本当はそれも良い事なのではないかなと思っていました。
より安く、効率良く、便利でスピーディーなことを求めてしまう今の世の中ですが、自然のリズムに合わせて、ゆっくり自然に感謝をしながら生活する事ができるというのはとても素晴らしく大変ありがたい事だなと数年前にあった福島の原発事故を見て以来特に今強く思います。
コメントを残す