私達の住んでいる10エーカーのファームは一般にニュージーランドでは“プレジャーファーム(趣味の農場)”と呼ばれ、ビジネスでやっている酪農場や食肉用の牧畜農場とは区別される。
それでも一応農場ではあるので牧草の管理はビジネスファームと同じようにやらねばならない。それで私達も常に牛を飼って牧草が伸び放題にならぬよう調整しているわけだが、義父さんが来て以来、私達は乳離れしたばかりの去勢した子牛を買い、それを1年か2年育てては売るというサイクルを繰り返している。それ以上大きくなると力も強くなり気性も荒くなるので私たちのような町中の小さなファ-ムでは飼うのが難しいからだ。
また牛を買うときは季節や天候を考え、牧草の量や伸びを予測して頭数を決める。大体いつも10エーカーで10頭前後だ。1エーカーで1頭と聞いて私は初め驚いた。10エーカーで50頭ぐらい詰め込めると思っていたからだ。するとオーストラリア人の友達が「私の育ったオーストラリアのファームでは暑くて乾燥しているので牧草が伸びにくく10エーカーに羊が1匹しか飼えなかったわよ」と教えてくれた。そうか動物の頭数は土地の肥沃度や天候で決まるのかと私は初めて気が付いた。続きを読む