ニュージーランドの学校教育は日本に比べて体験教育が豊富で、その上個性が生かされるシステムだ。特に高校の最後の3年間は選択教科制なので生徒たちは自分が好きな科目を中心に教科を選べる。
私の長男はアートが得意で高校の3年間は必須教科のほかは油絵、製図(グラフィクス)、デザインとすべてアート系の科目で固めていた。
長男が高校生だった当時、ニュージーランドは国家試験制度をとっており生徒たちは日本の高1(NZ11年生)、高2(NZ12年生)、高3(NZ13年生)は年末に国家試験を受けなければならなかった。(注―現在は年間を通してNCEAという国家認定の単位を取得するというシステムに変わった)
そんなわけでアートも毎年、国家試験を受けなければならず、その合格基準はとても高かった。ニュージーランドの学校教育ではどの教科でも常に自分の考えや理論を表現することを要求される。だからアートでも国家試験の基準に合わせて生徒一人ひとりが自分でテーマを見つけ、なぜそれを選んだか、どうそれを表現したかなど説明しなければならない。続きを読む