ボランティアを楽しむ
2週間の春休みが終わり、10月8日から学校は4学期がはじまりました。今回の休み中、MBASの3人の高校生が京都の京北町に2週間滞在しましたが、それと入れ替わるように京北町の消防団員6人がフィティアンガの消防団を表敬訪問しにやってきました。フィティアンガと京北町はMBASとの交換留学から端を発してついに去年の9月に姉妹町提携を結んだのですが、いまやその交流を民間レベルにも広げようということで、今回は2度目の消防団の交流が実現したのです。
9月28日の朝、オークランド空港に到着した一行を出迎えたのはフィティアンガ消防団の幹部のマイクとウォルターそして通訳の久枝リンチ夫人でした。3人共フィティアンガ京北町友好協会のメンバーですが、その中でも特にマイクは3年前に娘を京北町の交換留学に送って以来、大の京北町ファンです。ですからこのたびも自らオーガナイズをかってでて、6人の世話に大活躍でした。
3日間の滞在中、京北町消防団の6人はフィティアンガ消防団員の家庭にそれぞれホームステイをしました。同じ消防団同士ということもあってか言葉の壁も心配したほどではなかったようです。翌日にはすっかり打ち解けてホストファミリーとホット・ウォター・ビーチのピクニックを楽しみ、その日の午後には共同演習をして、“消火技”を披露しあいました。
またその夜は消防署でポットラック・ディナー・パーティーがありました。ご存知かとは思いますがポットラックとは持ち寄りのことです。ですからその晩は各家庭の自慢料理が続々と運び込まれ大きなテーブルはすぐに一杯になってしまいました。その上、消防団員の一人が経営する店から取り寄せたイセエビや生牡蠣や燻製の鯛も加わって、それはすばらしいシーフード・ディナーとあいなりました。双方の消防団はスピーチやプレゼントを交換し、共に飲み交わし、最後には京北町名物の納豆もちをオーブンで焼いて皆さんに振舞うという一幕もありました。
こうして3日間の消防団交流は大成功のうちに終わりましたが、今回のこの成功を支えたのはマイクの多大なボランティア奉仕でした。受け入れに先立って彼は団員からホームステイを募り、予算を工面し、接待の予定を組み、一切の手配をしました。そして出迎えの朝、彼は朝4時に消防署に出向き公用のミニバスを洗い、5時に来客の出迎えに出発しました。それからの3日間オークランド、フィティアンガ間の送迎を含めて、マイクは1000キロ余りを運転したことになります。
二ュージーランドに来て以来、私は常々二ュージーランド人のボランティア精神には感心してきました。特にフィティアンガのような小さな町では消防、救急、老人介護、図書館などすべてがボランティア奉仕に頼っています。人々のボランティアへの取り組み方も気張らず淡々としていて、むしろそれを楽しんでやっています。これは人口の少ない移民の国として発展するなかで培われた独特の助け合い精神なのでしょうか。
ニュージーランドは10月7日からサマータイムになりました。今、日本との時差は4時間です。もうすでに夜は7時過ぎまで明るく、私たちはこれからますます長くなる明るい夏の夜を楽しみにしています。
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