8月の半ばから2週間に渡り、私はニュージーランド人の校長4人とタイ、韓国、日本の3カ国を回ってきた。これは去年発足したエジュケーション・コロマンデルという教育グループの共同プロモーションの旅だった。
このグループはコロマンデル地方の8つの公立校と3つの私立語学学校で成り立っていて、自然豊かなコロマンデルでの都会の学校では体験できないユニークな教育を世界にアピールして売り込もうというもくろみだ。
私は今回、私の学校エヴァと隣の公立校マーキュリー・ベイを代表して参加し、各校の代表者とともにバンコック、ソウル、大阪、名古屋、東京とそれぞれの都市でセミナーを催してはたくさんのエイジェントや興味のある個人に会って話をした。
今回の旅を通して私が感じたのは次世代の子供達への英語教育熱はタイも韓国も日本と同じように高いと言うこと。そしてどの国も一般的には教育は都会思考が強いということだ。
それに対しここコロマンデル半島にある町は最大のテームズでも人口7千人。フィティアンガをはじめ他の町はそれぞれ4千人前後とどれもとても小さい。だから私達はただでさえ人口過疎ぎみのニュージーランドで、さらに小さいコロマンデル地方をどうアピールしていこうかと知恵をしぼった。
私達が今回、共同で強調したのは各校における外国人留学生がまだとても少ないこと、また美しい自然の中でニュージーランドらしい体験教育が受けられ、伸び伸びと勉強ができること、人口が少ないので人々はとても素朴で温かく、いいホストファミリーに恵まれていることなどだ。
また各高校のユニークなプログラムも紹介した。例えば美しい海岸に恵まれたマーキュリー・ベイではマリン・アカデミー・コースが受けられ、そこでは1年を通して海に関するあらゆることを学ぶことができる。コースの中でスキューバー・ダイビングの国際免許をとり、ヨットの操縦を習い、カイヤック、海のレスキューを学び、最後には海洋関係のビジネスや料理まで勉強することができるのだ。
また外洋に面したファンガマタの高校にはサーフィンのコースがあるし、パエロアやテームズの高校にはゴルフのコースがある。ともかくタイ、韓国、日本では考えられないおおらかな体験教育がここにはあるのだ。
タイと韓国で私は親子留学の相談も何件か受けた。幼稚園や小学校、中学校の子供を連れて母親ぐるみで留学するのだ。その場合父親は自国に留まりひたすら送金に励む。エヴァにも今韓国人の母子3人が留学していて、ミセス・チョイ(母親)は毎日エヴァで英語のコースを取り、子供二人は隣の小学校に通って放課後はエヴァで補習授業を取っている。今回、ソウルではこのミセス・チョイの紹介で将来母子留学を考えているという3人の母親に会ったが、ソウルで寝具問屋を営むその一人の店先で、私達はボール箱を裂いて作った簡易床にべたりと座り込んで2時間あまり話し合った。時々、仕事の合い間にご主人がやってきて心配そうに口を挟むが、3人の奥方は気にとめる風もなく熱心に話し続る。韓国でも子供の教育は全面的に母親にまかされているようだ。
考えてみれば15年前、私も3人の子供を連れてニュージーランドに移り住んだ口だが、そんなケースがまれだった当時からたった15年で今、世界の傾向は大きく変わったようだ。
「続フィティアンガ便り」はエヴァのホームページ www.evakona.jp にも載っています。
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