皆さんこんにちは。
エバコナスタッフのカース敦子です。エバコナではあと数週間後には2024年度の高校準備コースがスタートします。
また去年エバコナで留学をスタートした生徒、そしてその前年スタートした生徒たちは現在それぞれ2月から現地高校で新学期をスタートしました。様々な生徒がニュージーランドの高校で日本で経験した事の無かった色々な経験をして生き生きと活動している様子を見ると本当にうれしく思います。しかし、最近いくつかの現地高校の先生方から日本人留学生のレジリアンスについて指摘があり、私たちも色々と考えさせられました。レジリアンスとは英語でResilienceと書き、日本語の意味を調べると「人生の困難をしなやかに乗り越え回復する力」等と出てきます。以前もブログでレジリアンスについては書いた事があるかと思いますが、ニュージーランドでは幼児教育の時点から学校教育を通してレジリアンスを育む教育を行っています。インターネットで検索するとレジリアンスを高める方法というものがいくつかあげられていたので、見やすいように表にまとめてみました。
自己効力感は様々な「体験や失敗」から学ぶことが大きいと思います。ニュージーランドでは幼稚園の時からなるべく大人が口や手を出さず子供に自分で色々なことを体験させて学ばせるという教育を徹底しています。ですので、例えば子供同士がけんかをしていても、先生はあえてすぐに仲介に入らず、できるだけ子供同士で解決するのを見守るというスタンスをとっています。この教育は子供に失敗を恐れない事を教えてくれ、自分で何かを最後までやり通す体験から自己効力感、粘り強さや自信をつけてくれます。また、ニュージーランドでは体験教育がとても盛んでアウトドアスポーツやキャンプ等、様々なアウトドアアクティビティーが学校のカリキュラムの一環です。このような体験教育も子供たちの自信や自己効力感を育てます。エバコナでもこの体験教育はコースの一環として取り入れています。そして、子供たちには失敗があるからこそ沢山のことを学べるのだといつも話しています。
楽観性は何事に対しても良いところにフォーカスできる、最悪と思える状況にも感謝できるという「習慣」から生まれると思います。例えば、ニュージーランドの幼稚園では「○○は駄目」と言わずに「○○しよう」という言い方で指導をしたり、子供の良い行動を褒めて導く、「飴は駄目」と言うかわりに「それじゃあにんじんとリンゴ、どっちがいい」等と選択権を与えて良い選択を導く等、ポジティブガイダンスの教育にフォーカスしています。ですので、留学中も子供が愚痴や批判の言動に走った時に大人がそれにただ同情してあげるのではなく、その困難に対して別の視点/ポジティブな視点を与えてあげるという事が大切だと思います。
自己認識/問題分析能力は子供に繰り返し自分自身を見つめさせる事が必要だと思います。留学はまさにそのチャンスです。ニュージーランドの教育ではよくSelf reflectionと言って自己分析を学校教育の中で色々と取り入れています。エバコナでもコースの一環として2回キャンプに行きますが、毎回戻ってきたらキャンプについてSelf reflection(感想と反省/自己分析)の文章を書いてもらったり、みんなでそれについてディスカッションをしたりします。また学校で何か失敗をした時に、なぜその問題が起きたのか?解決するには自分は何ができるか?これを通して自分について気が付いた事は何か?等、自分を見つめる時間をもってもらいます。
自制心は小さな事から自分の行動の責任を取るという経験から子供たちは学んでいきます。例えば、朝3時までゲームをしている、すると次の日朝起きれなくて学校に遅刻する、遅刻すると出席率が下がる、出席率が下がると翌年のビザが取得できなくなって留学が継続できなくなる。というように全ての行動に責任が伴って、その結果の責任を自分自身がとらなければいけないという事を子供は理解すると自然に自制心というものに目覚めます。朝3時までゲームなんてしていられないぞ!「今日は携帯電話は10時にホストマザーに預けよう!」等、子供たちは自分で対策を考えられるものです。お金も月にいくらまでと親子で約束したら、その中でやりくりするという経験も大切です。ズルズルと「あれもこれも」となるのではなく、そこで責任やケジメを学び自分の一時的な欲求や気持ちに流されない責任感と自制心が生まれると思います。
柔軟性はホームステイでの生活体験から学ぶ事が多いと思います。価値観や考え方が自分とは全然違う人たちと暮らすのですから、それは本当に大きな学びです。日本の家では当たり前だったことが当たり前では無い事も沢山経験するかもしれません。例えば、就寝時間は10時、眠くなくても電気は消して寝なければいけない!インターネットは夜9時で切られる!お弁当は自分で作るというルールがあるけれど、冷蔵庫にはチーズとレタスとパンしかなかった!週に一回当番があって家族のために夕食を作らなければいけない!疲れていても、夕食の後は必ず食器洗いをしなければいけない!そんな様々な日本の家庭との違いを体験した時、批判に走らず、相手のやり方を受け入れたり、相手の視点を理解しようとする事が柔軟な心を育ててくれます。
人と信頼関係を築く力、つまりコミュニケーション能力は社会生活をスムーズにできるという能力かと思います。そこには人に伝える、人の話を聞くというその両方が上手にできる事が重要です。そしてそれは練習と体験から学んでいく事かと思います。例えばお子さんがホームステイで問題があったり、学校で問題があった時、大人が口をはさんでしまわないで自分でまずは周りの人に相談するよう促す。保護者から答えを出してあげるのではなく、子供に「どうしたら良いと思う?」と考えさせて自分のアイディアでやらせてみるなど。将来お子さんが必要な時に人に助けてもらい、また自分からも人を助けられるというギブアンドテイクを上手にできるという事がどんな社会でも幸せに生きらる鍵ではないかと思います。
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