早春を告げるWattleの黄色い花が散り、九月に入るとフィティアンガも春めいてきました。ここ十日ほどは風もなく昼間は汗ばむような快晴が続いています。 近隣の園芸農家の輸出用水仙の摘み取り作業は、固いつぼみのうちにすっかり終わりました。 今年日本のどこかで花咲いているかもしれません。 我が家の窓からあたりを見回すと、桃・こぶし・水仙・金魚草・ゼラニウム等など、それぞれの庭に美しく咲きそろっています。こちらに移って来てから庭に植えた桜の木は、まだつぼみも堅くすぐに咲く気配はありません。 去年私たちが満開のこの桜の若木を店先で見つけたのは十月でしたから、本格的な春はこれからなのでしょうか。
この九月から、中一の娘は乗馬を習い始めました。先生のグレタ・ホワイトはオランダ人でフィティアンガポニークラブの乗馬の先生です。週一回娘はグレタから、馬のブラシのかけ方、鞍のつけ方、馬の扱い方を習います。 楽しいらしく、毎回にんじんを日本持って喜んで出かけていきます。 娘の友人でも馬を持って乗馬をやっている子は多く、中でも上手な子は障害競技に出場します。フィティアンガでは商店街以外の道路で乗馬が許されていて、路肩の芝生を馬に乗って颯爽と通り過ぎていく人をよく見かけます。 また浜辺などで馬を走らせる人も多く、特にそれが日没にかかっていたりすると、優雅で雄大な一服の景色となります。
乗馬用の馬の売買は盛んで、新聞にも良く売りの広告が出ますが、価格は安く一万五千円くらいから買えます。 初心者は老馬から始め、レベルが上がるにつれて若い馬に買い換えていきます。今娘は友人が練習に使っていた馬を、一回二百円で借りて練習しています。 日本での乗馬とはまったく違い、こちらの乗馬は広く一般庶民のスポーツです。ですからフィティアンガ・ポニークラブに入るのも簡単で費用もあまりかかりません。 ただし、当分自分の馬を持ち、その世話をしなければなりません。 今に娘も自分の馬がほしいと言い出すでしょう。
さて先日、私はめでたくNZの運転免許証を取りました。日本から持ってきた国際免許が期限切れになるので、やむおえず取ったものです。 近年日本人を含む外国人ドライバーの事故が増えているので、外国人の免許取得は厳しくなっているようです。 私の場合も日本の免許はまったく考慮されず、ペーパー、口頭、実技とNZ人とまったく同じ試験を受けさせられました。 フィティアンガには月2回、トラフィック・オフィサーがやって来ます。 免許を取りたい人は彼に予約をして試験を受けます。 交通ルールに関するペーパー試験は25問で、中には結構ひねった問題も出ます。 口頭は5問です。 パスするにはペーパーは23問、口頭は全問正解しなければなりません。 私の担当だった試験官は親切な中年の男性で、問題の意味が解せずに質問する私に、丁寧に解説してくれました。 一方、実技のテストは実に簡単で、周辺を15分から20分自分の車で走って見せるのですが、その間に車庫入れ・坂道発進等の基本操作が入ります。 でもフィティアンガの道路は広く信号もなくすいているので、日本の狭い混雑した道路に慣れていた私にはとても簡単で、10分ほどでOkがでました。 おかげで無事にパスし。これで70歳までは免許の更新もなくNZで運転できることになりました。
NZでは日本と同じく車は左側通行で、その交通ルールも共通のものがたくさんあります。でももちろんZN独自のものもあって、路上の動物に関するものもその一つでしょう。私の友人が試験を受けたときにこんな質問があったそうです。
☆ 路上で移動中の羊の群れに会いました。あなたは次のどの方法をとりますか。
① 近づいてクラクションを鳴らす
② 近づいてエンジンをふかす
③ 羊の群れの中を止まらずにすり抜ける
④ 左によりスピードを落とし、羊が近づいてきたら止まる
羊は大変気の弱い動物で、おびえると心臓麻痺を起こすことがあります。 ですから答えは④で、これなどは牧畜国NZならではのルールでしょう。 自動車優先の日本から来た私にはのんびりとゆとりの感じられる規則です。
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