先週、久々に休暇をとって夫と共に愛犬ベンジーを連れて北島の上の方にある、パイヒア(Paihia)というところに行ってきました。
パイヒアは海辺に面した夏の人気リゾート地ですが、対岸にはニュージーランド最初の首都だったラッセル(Russel)という小さな町があり、また1840年 に先住民族マオリ族とイギリス王権の間で結んだワイタンギ条約の地Waitangiからも車で5分という、まさにニュージーランドの歴史の発祥地です。
イギリス人が移住してくるまでは、この辺りには日本の屋久杉のようなカウリの大木が密生していたそうですが、イギリスからの入植者たちはそのカウリの大木からとった材木でコロニアル・ハウスを建てて住んだので、この辺りには入植当時のからの古いコロニアル・ハウスがあちこちに残っています。特に海岸に沿ったラッセルの町は昔の面影がそっくりそのまま残っており、海に面した一角にはコロニアル・ハウスが立ち並び、ニュージーランドで一番古い英国国教会の教会堂やパブやホテルなども残っていて、まさにニュージーランドの古都の代表です。
20年前に私の夫はそのうちの1件の再建に関わったので、私たちはその家を再訪しました。海に面した白塗りのそのコロニアル・ハウスは初期の政府高官の家だったようで、小さいながらも当時にしては贅沢を尽くした作りでした。そしてその隣には石造りの2階建ての聖書の印刷所が建っており、当時、革表紙の聖書が一冊一冊丁寧に手作りされていた様子も見学しました。
そのあと、私たちはニュージーランドで一番古いホテルのラウンジでお昼を食べました。メニューにはこの辺りでとれるトゥアトゥアやコクル貝など素朴な貝の酒蒸しがあったので、そのレトロな雰囲気のラウンジで貝料理をいただきました。その昔、入植者たちはこの貝を食べる習慣をマオリ族から習ったのだろうなーなどと考えながら。とてもおいしかったです。
私の泊ったパイヒアのモーテルの隣にも古い石造りの英国国教会の教会があったので、私は日曜日の礼拝に参加しました。日曜日の朝10時になると教会の鐘が鳴り、地元の老人たちが12人ほど礼拝にやってきました。若い人の姿は全く見られませんでした。また教会にある大きなパイプオルガンは弾く人がいないらしく、聖歌は録音されたパイプオルガンによる伴奏だったのでちょっとがっかりしましが、教会の建物には開拓以来の人々の祈りが充ちているようで、とても心の落ち着く空間でした。その日、私はぶどう酒とパンの儀式(聖体拝領)に参加したのですが、いただいたぶどう酒がジュースではなく本物のワインだったので驚きました。
今回は愛犬ベンジーを連れて行ったので、滞在中、私たちは犬を自由に走らせられる場所を探したのですが、あいにくカウリの森も含め、この辺り一帯はキーウイー鳥の保護区なので犬の禁止地区が多いのは残念でした。でもベンジーが宿泊したケネルは大きな池のあるファームだったので、ベンジーは私たちと出かけないときは池で泳いだり、他の犬と遊んだりで彼なりにホリデーを楽しんだと思います。
久々にフィティアンガを離れ、ニュージーランドの歴史に触れ、私はレトロな休暇を満喫しました。
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