こんにちは。エバコナのカウンセラーのカースです。日本は桜のシーズンも終わりどんどん暖かくなってきている頃かと思います。南半球のこちらは最近すっかり秋らしくなり今は紅葉が盛りです。そろそろ薪ストーブのシーズンとなってきました。
さて、今回はparenting Style(親の子育てスタイル)と子供への影響という事について少し書きたいと思っています。私は以前参加した教育ワークショップで親の教育方針が子供たちにどのような影響を与えるかという事を学び、それがとても興味深かかったのでここで皆さんとシェアーしたいと思います。
以下がその4つの子育てスタイルのパターンとその子供への影響です。
- 1. Authoritarian Parenting 独裁・支配的なスタイル
子供に有無を言わせず自分のルールに従わせる。従わない場合は罰を持って接する。子供に自分で考えて行動するチャンスを与えず、親が一方的に全てを決めてしまう。
子供への影響
一見行儀良く良い子に見える場合もあるが、社会的なスキルが欠けていたり、自己評価が低く不安感や鬱に悩んだり(アルコールやドラッグ問題に発展する場合や非行や犯罪に走る可能性もある)、自己評価の低さに悩むことが多い。
- 2. Permissive Parenting 消極的に何事も子供の意思に任せるスタイル
子供の意向を中心に物事を進めるため、親がリミットやルールを設定しそれを守らせることに消極的。子供の感情的ニーズにはとても敏感で、子供とは「友達」のような親子関係になる。
子供への影響
社会的スキルに欠け、人間関係をきちんと築けなかったり、エゴが強く自己評価/プライドが高かったり、自己の感情コントロール/自己管理能力に欠けることがある。そのため、様々な誘惑に負け易く、何かを成し遂げるということが難しかったりすることがある。その結果非行に走る場合もある。
- 3. Neglectful Parenting 無関心、放任主義
何らかの理由から子供の感情的ニーズにもリミットやルールの設定にも無関心になってしまう。最終的に育児放棄となってしまうのもこのスタイルにあてはまります。
子供への影響
自己評価が低かったり、不安感や鬱に悩むことがある。アルコールやドラッグ問題、自傷行為、自殺、非行や犯罪等様々な問題へと発展する可能性がある。
- 4. Authoritative Parenting ルールやリミットを設定するが、子供の感情にもきちんと対応する
子供の意向を尊重しつつも、限界を設定し、しっかりとルールを設定する。またルールについてもなぜそのようなルールがあるのか子供にその理由を説明したり話したりもする。子供の感情的ニーズにも敏感にきちんと接することができる。
子供への影響
「良い決断/選択をする」という事を学んでいる子どもは自己管理能力や自己の感情コントロールができ社会的スキルに長けている。自信もあり、精神的に安定した大人になれる事が多い。
Helicopter Parents ヘリコプターといわれる親とは?
さて、もう一つ1と 2のタイプにも当てはまるスタイルでヘリコプター的な親というのもあります。最近こちらでは時々話題になるのですが、子供の頭上を旋回するヘリコプターのように子供に付きまとい、過干渉・過保護な親という意味です。このような親の問題点はまず、親が過干渉な場合、親は無意識に子供に「私はあなたの決断を信用していない」というメッセージを送ってしまっています。これは子供の自信や自立心に大きなダメージを与えるのだそうです。
また親が過剰に子供の事を心配したりすると子供の精神不安定につながり、自己で問題を解決する能力や、困難を乗り越える精神力が欠損し将来的に鬱等の精神病につながったりすることがあるそうです。
「失敗」や「困難」を経験することによって子供は日々沢山の新しいスキルを学び、何よりも失敗や困難にぶつかっても自分は大丈夫だという自信をつけます。これは人生を生きる上で最も重要な能力だと私は思っています。親が子供を失敗や人生の困難から守ろうとすればするほど結果的には親の意図と正反対の結果をもたらしてしまうのだという事です。
さて、ここまで読まれると「これは私に(子供に)当てはまる」と思われてギクッとされる方もいらっしゃるかもしれません。私も子供を育てていますので、「完璧な親」にはなれないということを身をもって知っています。
自分が親になってみると、家庭の事情やその時の様々な状況もあり、自分が子供を産む前に描いていた「私はこんな子育てをする」「こんな親には絶対にならない」と思っていた理想的なイメージがガタガタと崩れてしまい敗北感や罪悪感を味わう事もあるかと思います。また自分の子育てを他人に批判されて深く傷つき自信を無くすことだってあると思います。そして世間の目/他人の批判を恐れて自分の子育てにストレスをためていらっしゃる方もいるかと思います。「良い親になりたい」と願い自分なりに一生懸命にやってきたつもりだったけれど、「自分が何か間違った事をしたから、このような結果になったのではないか」と罪悪感に襲われたり、自分を責めることだってあると思います。
どの親にとっても子育ては現実の中で学ぶ大変厳しい「教育体験」の場です。ですから日々アンテナを張り、自分の子育てを見直し、自分自身を正直に見つめ、色々な事を学び続けようとすることが大切ではないかと思っています。
エバコナの校長マクリーンえり子が5月に日本にて無料教育相談を行います。教育相談にご興味のある方は是非 eriko@evakona.co.nz までご連絡ください。
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