早いもので2020年もとうとう8月に入りましたね。ニュージーランドの8月は日本の2月に当たる冬の終わりの月です。私の家の庭ではワトルやモクレンや椿の花が咲いて雨と曇りがちの天気に彩を添えています。
さて、エバコナの高校準備コースもついに中盤戦に入りました。現在、エバコナでは来年の高校選択のために高校準備コースの生徒たちの個別面談をしています。今年は日本からオンラインで参加している7人の生徒たちも含めて全部で26人の生徒がコースに参加しており、来年の現地高校編入に備えています。
毎年、この高校選びは生徒たちにとってはワクワクすることで、今はフィティアンガという小さな町で勉強しているので、多くの生徒が来年は大きな町か都市の高校に行きたいと考えます。そこで私たちがまず説明するのはニュージーランドの高校では教育内容とカリキュラムはすべて文部省が直接管理しているので大都市の学校も田舎の学校も学力の差がないことを話します。ニュージーランドでは日本の高1に当たる11年生から生徒たちは文部省のサイトに自分の名前を登録して国家試験NCEAのレベル1から卒業年のレベル3まで、毎年学校で取得した単位を各学校を通して登録していきます。ですから高校卒業という言葉は使わず、個々の生徒がどこまでNCEAのレベルを終了したかの証明を文部省から直接もらうことになります。
そして近年、アジアの国々からニュージーランドの高校に留学してくる生徒の数は増えていて、教育熱心な中国人や韓国人の生徒たちは大都市思考なため、オークランドのような大都市には居住権を持った中国人や学生ビザを持った留学生が多く、知名度の高いオークランド周辺の高校には中国人の生徒がたくさんいて、例えば有名なオークランドの高校では学校によって全校生の40%から50%が中国人の生徒だとききます。そして世界中から集まる留学生数も各校で200人は下らないようです。
そうした理由でエバコナでは北島でも留学生の数が少なく、地元のニュージーランド人の生徒が主流の地方の高校を30校ほど選んで推薦しています。これらの高校はほとんど国立ですが、何校かはキリスト教系の半私立です。どの学校もカリキュラムは基本的に同じですが、地域の特徴を生かした独自のプログラムもあって、例えば幼稚園から高校まである半私立の高校ではその幼稚園で幼児教育体験ができるプログラムがあったり、演劇パフォーマンスに力を入れていて本格的な劇場を持っている高校や、牧場を持っていて農業や牧畜を学べるコースがある高校や、本格的なマウンテンバイクのコースがある地域ではそうしたクラブ活動に力を入れている学校などと、ニュージーランドの地方ならではの教育が受けられます。そしてもちろんこうした各地域にはエバコナのカウンセラーがいて、引き続き高2、高3の終了まで、アカデミックや生活面のサポートをしっかりとしてくれます。
この個別面談の後、8月の半ばから生徒たちは志望校の訪問をして、実際に自分の目で高校やその地域の様子を見に行きます。もちろん高校入試はありません。エバコナの生徒たちはエバコナを通して取得したNCEAレベル1の単位をもって、次年度の2月の新学期にそれぞれの高校に編入していきます。
残念ながら今は世界中がまだコロナの脅威にさらされており、ニュージーランドでは幸いコロナが収まったと言ってもまだ国境は封鎖のままです。しかしいくつかの国で近々ワクチンの投与が始まるという話も出ており、ニュージーランドも国境が開くのではないかと期待しています。
ともかく人類が何とか無事にこの時期を乗り越えて、1日でも早く若者たちが安心してニュージーランドと日本を行き来できるようにと心から祈っています。
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